光熱費・太陽光

一条工務店の電気代を節約|N式を1年続けた請求額は月4,503円

さーパパ

一条工務店で建てると、床暖房を24時間つけっぱなしにします。「電気代がとんでもないことになるのでは」と不安になりませんか。私も入居前はそう思っていました。

我が家が1年間に払った電気代は、12ヶ月合計で54,038円でした。月平均にすると4,503円です。売電の149,700円と合わせると、収支はプラス95,662円になりました。

節電をがんばった結果ではありません。なあたンさんという方が考案した「N式」という方法を、実践して放置していただけです。日々やっているのは、食洗機を朝に回すことくらいになります。

この記事では、N式の4つのやり方を我が家がどう設定して、結果いくらになったかを実額で書きます。あわせて、基本料金0円のプランが誰にでも得とは限らない理由と、エコキュートの設定を変えるときの注意点も書いています。

自分の家で試す価値があるかどうか、なにから手をつければいいか。そこまで判断できるように書きました。

目次

結論|N式を1年続けた電気代は12ヶ月で54,038円でした

我が家が1年間に払った電気代は、12ヶ月合計で54,038円でした。月平均にすると4,503円です。

同じ期間の売電額は149,700円だったので、収支はプラス95,662円になりました。

電力会社から買った電気は、年間で1,439kWhだけです。1日あたりにすると約3.9kWhになります。

これは節電をがんばった結果ではありません。なあたンさんという方が考案した「N式」という方法を、設定して放置していただけです。

我が家の条件はこちらです。

項目内容
ハウスメーカー一条工務店 グランスマート
建物平屋・延床約25.5坪
建築地静岡県
家族3人(夫婦+長女)・共働きで日中は不在
太陽光13.475kW
蓄電池7.04kWh
集計期間2025年8月〜2026年7月

金額はすべて検針票とアプリに残っている実額。ただし2025年8月は入居した月なので部分月になります。丸12ヶ月ならもう少し増えていたはずです。

N式とは|なあたンさんが考案した4つの節電法

N式は、Instagramで活動されている「なあたン」さんという一条工務店の施主の方が、2021年2月に発案された節電方法です。一条施主のあいだで広く共有されています。

考え方はシンプルで、「太陽光でつくった電気は、売るより自分で使ったほうが得」というものです。我が家の売電単価は15円で、買う電気はそれより高いので、買わずに済ませたほうが手元に残る、という発想になります。

なお、ここで書いた15円は、2025年度に系統連系した我が家の条件です。2026年度に連系する場合は1〜4年目が24円、5〜10年目が8.3円という二段階の買取価格になりました(2026年9月時点)。5年目以降の8.3円は、買う電気よりかなり安くなります。だから、これから建てる方は、売るよりも自分の家で使うことの意味がさらに大きくなります。詳しくは太陽光+蓄電池は元が取れるかを検証した記事をご覧ください。

やることは4つです。

  1. 基本料金0円の電力会社に乗り換える
  2. エコキュートの沸き上げを昼間に動かす
  3. 太陽光で蓄電池を充電し、夕方以降に使う
  4. 食洗機も太陽が出ている時間に動かす

この記事では、4つそれぞれを我が家がどう設定して、結果どうなったかを順に書きます。仕組みの解説は最小限にして、実際の数字と、やってみて分かった注意点に寄せます。

N式を1年続けた12ヶ月の電気代と売電額の推移グラフ

【実測】N式を1年続けた電気代の月別データ

まず我が家の電気代月別データをお伝えします。

12ヶ月の電気代と売電額

年月電気代売電額収支
2025年8月3,734円4,845円+1,111円
2025年9月6,973円16,605円+9,632円
2025年10月3,065円10,980円+7,915円
2025年11月2,713円8,610円+5,897円
2025年12月6,662円10,650円+3,988円
2026年1月9,442円10,410円+968円
2026年2月10,589円11,400円+811円
2026年3月4,088円13,620円+9,532円
2026年4月2,691円15,060円+12,369円
2026年5月191円19,080円+18,889円
2026年6月845円16,980円+16,135円
2026年7月3,045円11,460円+8,415円
合計54,038円149,700円+95,662円

赤字になった月は1ヶ月もありませんでした。

なお2025年10月は、東京電力エナジーパートナーからリボンエナジーへ切り替えた月です。この月だけ2社分の請求が混ざっています。

最安は2026年5月の191円でした

1ヶ月の電気代が191円という月がありました。

5月は床暖房を止めて床冷房を入れる前の時期で、冷暖房をほとんど使いません。そこに日照が重なるので、家で使う電気のほぼ全部を太陽光と蓄電池でまかなえました。

この月の売電額は19,080円で、1年でいちばん多い月でもあります。

ピークは2026年2月の10,589円でした

反対にいちばん高かったのが2月の10,589円です。

床暖房を24時間つけているうえに、日照時間が短く、発電量も落ちます。ここは避けられません。冬の電気代を月別に細かく書いた記事は床暖房の電気代と設定温度をまとめた記事にあります。

ただ、いちばん高い月でも1万円台前半でした。「一条の床暖房は月5万円かかる」という話を見かけますが、我が家ではそうなりませんでした。

23kWhで2,762円だった月と、基本料金0円に乗り換え後191円になった月の比較

①基本料金0円の電力会社に乗り換える

4つのうち、効果がいちばん分かりやすいのがこれです。

23kWhしか使っていない月に、2,762円払っていました

我が家は入居時、東京電力エナジーパートナーの「スマートライフL」を契約していました。

2025年10月の請求を見て驚きました。この月に買った電気は23kWhしかないのに、請求は2,762円だったのです。

23kWhというのは、一般的な家庭の1日分ほどの量です。それだけしか買っていないのに3千円近く払っている。使っていなくても取られる基本料金の影響の大きさが、はっきり数字に出ていました。

太陽光と蓄電池がある家は、そもそも電気をあまり買いません。買う量が少ないほど、基本料金の比重は重くなります。

乗り換え後、5月の電気代は191円になりました

2025年10月にリボンエナジーの「リボングリーン」へ切り替えました。基本料金0円・燃料費調整額0円のプランです。

決め手は基本料金がずっと0円であることでした。いろいろ調べたうえで、それでも不安はあったので、「自分の家に合わなかったら1年くらいで変えればいい」という気持ちで申し込んでいます。市場連動型は読みにくいプランなので、合わなければ戻せばいいと考えておくと踏み出しやすいと思います。

その結果が、先ほどの5月191円です。

東京電力のままだったら、どれだけ節約しても基本料金は毎月かかっていました。191円という数字は、基本料金があるプランでは実現できません。

乗り換えは面倒ではありませんでした

やってみるまでは手続きが億劫でしたが、実際には申し込みフォームを埋めるだけで終わりました。我が家が契約したリボンエナジーは、公式サイトからWebで申し込む形になっています(2026年8月時点)。

  • 工事はありません
  • 立会いも不要でした
  • 解約金もかかりませんでした

調べたところ、これは我が家だけの話ではないようです。今の電力会社への解約連絡は不要で、新しい電力会社が代行してくれます。工事と立会いも原則不要で、スマートメーターが付いていない場合だけ無料で交換されます(エネチェンジ価格.com/2026年8月時点)。

ただし解約金は契約中のプランによります。我が家は無料でしたが、ご自身の契約は確認してください。

ただし、時間はかかります

手続きは簡単でも、切り替わるまでには時間がかかります。

スマートメーターが未設置なら約2週間、設置済みでも約4日。そこから次の検針日を待つので、申し込みから完了まで1〜2ヶ月が一般的です(出典は前項と同じ/2026年8月時点)。

思い立ってすぐ安くなるものではありません。切り替えると決めたら、早めに申し込んでおくことをおすすめします。

基本料金0円には裏があります|そのぶん単価は高い

基本料金0円は、無条件に得な話ではありません。

リボングリーンの電気代は、固定従量料金と変動従量料金の合計で決まります。東京エリアの固定従量料金は22円00銭/kWhで、そこにJEPX(日本卸電力取引所)の市場価格に連動する変動分が30分ごとに乗ります(エネチェンジ/2026年8月時点)。

つまり基本料金を取らないかわりに、1kWhあたりの単価は高くなる構造です。

ということは、電気をたくさん買う家庭では、基本料金があるプランのほうが安くなる可能性があります。損益分岐点になる使用量は公開されていないので、はっきりした数字は出せません。

我が家が得をしたのは、太陽光と蓄電池があって、そもそも買う量が年1,439kWhと少ないからです。ここは自分の家の使用量と照らし合わせて判断してください。

市場連動型の、そのほかの注意点

同じ記事に挙げられていたデメリットも書いておきます(2026年8月時点)。

  • 市場価格が高騰すると電気代も上がる
  • ポイント還元などの特典がない
  • プランが1つしかなく、選べない
  • ガスなどとのセットプランがない
  • 支払い方法がクレジットカードのみ

我が家の1月・2月は電気代が上がりましたが、床暖房のせいなのか市場価格が上がったせいなのか、切り分けはできていません。おそらく両方だろうと思っています。

電力プランは改定が頻繁なので、申し込む前に必ず公式サイトで最新の条件を確認してください。

電力会社の乗り換え手順。Webで申し込み・解約手続きなし・工事なしで完了まで1〜2ヶ月

どの会社を選んだのか、Looopでんきやオクトパスエナジーと比べて何が決め手だったのかは基本料金0円の電力会社に替えた10ヶ月の実額にまとめました。東京電力時代の明細と並べて計算しています。

②エコキュートの沸き上げを昼間に動かす

4つのうち、いちばん慎重に説明したい部分です。

時刻を12時間ずらすと、沸き上げが午前10時ごろになります

エコキュートは通常、電気が安い深夜に湯を沸かします。ところが太陽光がある家では、深夜に買った電気で沸かすより、昼に自分の家で発電した電気で沸かすほうが得になります。

そこでN式では、エコキュート本体の時刻設定を12時間ずらしてしまいます。機械は「今は深夜だ」と思って動きますが、実際の時刻は昼。結果として、我が家では午前10時ごろに沸き上げが動いています。

太陽がいちばん出ている時間帯なので、沸き上げに使う電気を買わずに済みます。

時間は12時間ずらすのがおすすめ!表示はかわりません

「時刻がずれたら、リモコンの表示が分からなくなるのでは」と思われるかもしれません。実際は変わりません。

12時間ずらすと、午前と午後が入れ替わるだけで時刻の数字はそのままです。

  • 実際の20時は、リモコンには「8時」と表示されます
  • 実際の午前8時も、「8時」と表示されます

数字が同じなので、見間違える心配もなし。1年使って、エラー表示も一度も出ていません。

これは実際にやってみるまで分かりませんでした。12時間という数字が選ばれているのは、こういう理由もあるのだと思います。

メーカーが想定した使い方ではありません

この方法は、機器の時計を実際の時刻とずらして動かすものです。メーカーが想定した使い方ではありません。

我が家では1年間、問題は起きていません。ただしそれは我が家の機種・我が家の使い方での話です。試すかどうかはご自身の判断でお願いします。

湯切れは、1年で1度もありませんでした

いちばん心配されるのが湯切れだと思います。

我が家は1年間、一度も湯切れしていません。

ただし条件があります。我が家は3人暮らしで、入浴は夜です。5人家族だったら結果は違っていたかもしれません。

朝に湯を多く使う家庭は事情が違います

時刻をずらすと、湯切れしやすくなる家庭はあります。

通常の深夜沸き上げなら、朝いちばんがタンク満タンの状態です。ところが時刻をずらすと、満タンになるのが午前10時ごろになります。

つまり、夜に使ったあと、翌朝までは残量が少ない状態で過ごすことになります。

  • 夜に入浴する家庭(我が家)→ 影響はありませんでした
  • 朝にシャワーを浴びる家庭 → 残量が少ない時間帯に使うので、湯切れの可能性は上がります

朝に湯を多く使うご家庭は、この点を踏まえて判断してください。

エコキュートの時刻を12時間ずらしてもリモコンの数字は変わらない仕組み

③太陽光で蓄電池を充電し、夕方以降に使う

昼に発電した電気を、夜に持ち越す仕組みです。

設定は「節エネ」モード、使い切りレベルは1

我が家の蓄電池の設定はこうなっています。

項目設定
運転モード節エネ
使い切りレベル1

使い切りレベルは0〜5の6段階で、0〜50%を表します。1に設定すると、残量10%まで使い切るという意味になります。

非常時のために電気を残しておきたい方は、この数字を上げる形になると思います。我が家は日常の電気代を優先して、いちばん使い切る形にしています。

1日の動きを見るとよく分かります

ある夏の1日の記録がこうでした。

  • 6時ごろに発電が始まる
  • 午前中のうちに蓄電池が100%まで充電される
  • 昼は発電のほとんどを売電に回す
  • 夕方から放電が始まる
  • 21時台で残量は34%ほど

この蓄電池からの放電で電気をまかなっています。そのため、電力会社から買う電気はほとんどありません。

ほぼ毎日、フル充電に近い運用でした

1年間で蓄電池に充電した量は2,453kWhでした。1日あたり約6.7kWhになります。

我が家の蓄電池の容量は7.04kWhなので、ほぼ毎日フル充電に近い運用ができていた計算です。

1日の発電と蓄電池の充放電グラフ。午前中に充電して夕方から放電

④食洗機を朝に動かす

4つ目はいちばん簡単です。今日からできます。

朝7時ごろ、仕事に行く前に回しています

食洗機は朝7時ごろ、仕事に行く前に回しています。夜のうちに食器を溜めておいて、朝まとめて動かす形です。

食洗機は消費電力の大きい家電なので、太陽が出ている時間に動かすかどうかで、買う電気の量が変わります。

夜に回すと、その分は蓄電池から出るか、電力会社から買うことになります。朝なら太陽光でそのまま賄えるわけです。

朝に回すなら、食洗機の動かし忘れに注意

たまに回し忘れることがあります

そのときは諦めて夜に回しています。毎日きっちり守れているわけではありません。

それでも1年で54,038円でした。完璧にやらなくても、完璧にできなくても、我が家ではこの金額に収まりました。

パワーモニターの本日実績。創った電気58.9kWhに対し買った電気は3.0kWh

「N式は手間がかかる」と言われますが、設定してからは放置です

N式を調べていると、こまめな調整が前提で書かれている記事が目につきます。1年続けた我が家に当てはまったのか、ひとつずつ答えます。

よく言われること我が家では
エコキュートはマニュアルモードへの切り替えが必要時刻を12時間ずらしただけ
発電が少ない日はセーブ運転で調整する何もしていません
季節に応じて設定を戻す通年ずっと同じ設定
時刻の計算を誤ると湯切れや電気代増につながる1年で一度も湯切れなし

設定はモードを変えず、時刻をずらしただけです

「元の設定は電力会社のプランに沿っているので、マニュアルモードに切り替える必要がある」と書かれているのを読みました。我が家がしたのは、本体の時刻を12時間ずらすことだけです。モードの切り替えはしていません。

機種によって画面も項目も違うはずなので、同じ手順で済むとは限りません。ただ、少なくとも我が家のエコキュートで触ったのは、時刻の設定1箇所でした。

発電が少ない日も、何もしていません

曇りや雨の日はセーブ運転へ切り替える、という運用も見かけます。我が家はしていません。天気予報を見て設定を変えたことは、1年で一度もありませんでした。

理由ははっきりしていて、そこまで電気代を気にして生活したくないからです。毎日天気を見て機器の設定を触るくらいなら、多少高くついてもかまわないと思っています。

その「多少」がどのくらいだったかは、上の月別の表に出ているとおりです。

冬も設定は同じままです

発電が落ちる時期には設定を戻したほうがいい、という話もあります。我が家は切り替えていません。11月から2月も、5月とまったく同じ設定のままです。

冬に買う電気が増えているのは事実で、2026年1月は288kWh、2月は231kWhでした。5月の12kWhと比べれば20倍以上です。それでも設定は触っていません。

放置できているのは、条件が揃っているからだと思います

ここまで「何もしていない」と書いてきましたが、それで済んでいるのは我が家の条件によるところが大きいと思っています。

共働きで日中に家にいないこと。3人家族で、朝にお湯を大量に使わないこと。太陽光13.475kWと蓄電池7.04kWhがあること。このどれかが違えば、同じように放置しても結果は変わるはずです。

とくに朝の使用量が多いご家庭は、湯切れのリスクが上がります。その場合はこまめな調整が要るので、上位の記事が書いていることのほうが当てはまると思います。

結果|家で使う電気の約78%を太陽光でまかないました

1年の集計がこうなりました。

買った電気は年1,439kWhだけでした

項目年間
発電量16,635kWh
消費量(家全体)6,520kWh
買電量1,439kWh
自家消費(太陽光・蓄電池でまかなった分)5,081kWh
自給率約78%

家で使った6,520kWhのうち、5,081kWhは自分の家でつくった電気でした。割合にすると約78%になります。

1日あたりで見ると、17.9kWh使って、買ったのは3.9kWhだけという計算です。

「自給率」には2つの意味があるので注意してください

ここで1つ、混乱しやすい点があります。

太陽光のアプリに表示される「自給率」と、この記事で言う「自給率」は計算が違います。

計算我が家の値
アプリの自給率創った電気 ÷ 使った電気日によって100%を超える
この記事の自給率自家消費 ÷ 消費約78%

アプリの表示は、売った分も「創った電気」に入るので100%を超えることがあります。実際、ある夏の日は329%と表示されていました。

この記事の78%は、「使った電気のうち、買わずに済んだ割合」です。数字を比べるときは、どちらの計算か確認してください。

家で使った6,520kWhのうち5,081kWhを太陽光でまかなった自給率78%の内訳

N式のデメリットと注意点

良いことばかりではありません。1年やって感じた弱点を並べます。

1. 天候に左右されます

N式は太陽光でつくった電気を使う方法なので、日が出ない日は成り立ちません。

雨や曇りが続くと、蓄電池も満タンになりませんし、エコキュートの沸き上げも電力会社から買った電気で動くことになります。

我が家の1月・2月に電気代が上がったのも、床暖房を使っていたことに加えて、日照時間が短かったことが影響しています。

2. 朝に湯を多く使う家庭は湯切れの可能性があります

先に書いたとおり、時刻をずらすとタンクが満タンになるのが午前10時ごろになります。

夜に入浴する我が家では1年間問題ありませんでした。ただし朝にシャワーを浴びる習慣がある家庭では、残量が少ない時間帯に使うことになります。

家族の人数と、湯を使う時間帯。この2つは事前に考えておいたほうがいい点です。

3. メーカーが想定した使い方ではありません

エコキュートの時刻をずらすのは機器の時計を実際とずらす方法です。

我が家では1年間トラブルは起きていません。ただし機種や使い方によって結果は変わります。

4. 電気をたくさん買う家庭では、かえって高くなり得ます

基本料金0円のプランは、万人向けではありません。

基本料金を取らないかわりに、1kWhあたりの単価が高く設定されています。ということは、買う量が多い家庭では、基本料金があるプランのほうが総額で安くなる可能性があります。

我が家が得をしたのは、太陽光と蓄電池があって買う量が年1,439kWhと少なかったからです。太陽光がない家庭が同じプランに乗り換えても、同じ結果になるとは限りません。

5. 市場価格が上がれば、電気代も上がります

市場連動型のプランは、電力の取引価格が上がればそのまま反映されます。

安いときは驚くほど安くなりますが、その逆もあるということです。冬に電気代が上がったとき、我が家ではどこまでが市場価格の影響か切り分けられていません。

「毎月いくら」と読みにくいのは、このプランの弱点だと思っています。

6. 支払い方法がクレジットカードのみでした

細かい話ですが、我が家が契約したプランは支払いがクレジットカードのみでした(2026年8月時点)。

口座振替を使いたい方には向きません。契約前に確認しておくとよい点です。

7. 一方で、手間はほとんどありません

デメリットを並べましたが、日々の手間はほぼゼロです。

最初に設定してしまえば、あとは変わりません。食洗機を回すタイミングが夜から朝になっただけで、普段は意識すらしていません。

「毎日こまめに節電しないといけないのでは」と身構えていましたが、そんなことはないので安心してください。

N式が向く家・向かない家

我が家の1年から見て、条件によって結果が大きく変わると感じました。

条件
向いている太陽光と蓄電池がある/オール電化/日中に湯を沸かせる/夜に入浴する/買う電気がもともと少ない
向いていない太陽光がない/朝に湯を多く使う/電気の使用量が多い/賃貸で機器をいじれない

とくに太陽光の有無で意味がまったく変わります。太陽光がなければ、昼に沸かしても電力会社から買うだけなので、時刻をずらす意味がありません。

蓄電池も同じです。蓄電池がないと、昼につくった電気を夜に持ち越せません。日が沈んだ時点で買電に切り替わるため、夕方以降に使った電気がそのまま請求額に影響します。

我が家の買電量が年間1,439kWhで済んだのは、蓄電池から1日あたり約6.7kWhを夜間に使えたことも大きな理由です。

電気の購入量も重要です。基本料金0円のプランは、1kWhあたりの単価が高いので、買う量が増えるほど割高になります。家族が多い、在宅時間が長いなど、買電量が多い家庭では、結果が変わる可能性があります。

我が家は共働きで日中は誰もいません。昼につくった電気を家でほとんど使わないぶん、蓄電池に貯めて夜に使うという形が、我が家の生活スタイルには合っていました。逆に日中の在宅が長い家庭なら、そもそも売る電気が少なくなるので、また違う結果になるはずです。

ただし、これは我が家の条件で1年間やってみた結果からの考えです。家の条件や生活スタイルが違えば、結果も変わります。

蓄電池の運転モード設定。節エネモードと使い切りレベル1

これから試す人へ|やる順番

順番を間違えると、効果が出るまで無駄に待つことになります。

すぐできる設定から始めるのがおすすめです

私が実感したのは、電力会社の乗り換えは時間がかかるということでした。

申し込みから切り替わるまで1〜2ヶ月。一方で、蓄電池の設定や食洗機を回す時間を変えるのは、今日からできます。

乗り換えの完了を待ってから他を始めるのではなく、すぐできるものから手をつけて、乗り換えは並行して申し込んでおくのが効率的です。

順番の提案

  1. 蓄電池の設定を確認する — 今日設定できます
  2. 食洗機を朝に回す — 今日からできます
  3. エコキュートの時刻をずらす — 今日からできます
  4. 電力会社の乗り換えを申し込む — 完了まで1〜2ヶ月かかることがあります

まずは今日からできることを試し、電力会社の乗り換えは早めに申し込んでおく。この順番がおすすめです。

節約を考える前に、そもそも一条工務店の電気代は高いのか。月別の実額をもとに確かめた記事にまとめています。

N式でやっている4つのこと。基本料金0円への乗り換え・エコキュートを昼に・蓄電池・食洗機は朝

まとめ|N式を1年続けた結果

最後に要点を整理します。

  • 12ヶ月の電気代は54,038円(月平均4,503円)。売電149,700円との収支は+95,662円でした。
  • 赤字の月は1ヶ月もありません。最安は2026年5月の191円、ピークは2026年2月の10,589円。
  • 年間の買電量は1,439kWh。使った電気の約78%を、太陽光で発電し蓄電池に貯めた電気でまかないました。
  • N式はなあたンさんが2021年2月に考案された方法です。私が考えたものではありません。
  • 基本料金0円は万人向けではありません。電気をたくさん買う家庭では、かえって高くなり得ます。
  • 手間はほとんどありません。設定してしまえば、あとは食洗機を回す時間が変わるだけでした。

電気代の月別の内訳は平屋の電気代を1年分公開した記事に、冬の床暖房については床暖房の電気代と設定温度をまとめた記事に書いています。

なお、この記事の電気料金プランに関する内容は2026年8月時点のものです。プランの条件は改定されることがあるので、申し込む前に必ず公式サイトで最新の情報をご確認ください。また、エコキュートや蓄電池の仕様は契約時期・地域・営業所によって変わります。ここに書いたのは2025年8月に入居した我が家の場合です。

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