一条工務店グランスマートのUA値0.17|断熱等級7と1年の電気代
一条工務店の公式サイトでUA値を調べると、0.25W/㎡・Kと記載されています。でも、これはあくまで公表されている数値です。では、実際に建てた家のUA値はいくつなのか。
我が家のUA値は0.17でした。一条工務店のグランスマート、静岡県の平屋25.5坪です。断熱等性能等級は最高の等級7、ηAC値は0.7。カタログの数値ではなく、第三者評価機関が出したBELS評価書に印刷された数値です。
なぜ公表値の0.25と、我が家の0.17は違うのでしょうか。UA値は、同じグランスマートでも間取りや大きさなどによって変わります。この記事では、その仕組みと、我が家が0.17になった理由を、実際の間取りも含めて見ていきます。
UA値だけでなく、実際の暮らしや電気代についても見ていきます。冬は床暖房を24時間つけて月8,898円、夏は床冷房を24時間つけて月1,360円。1年分の電気代も並べ、評価書の予測値と実際の結果がどれだけ違ったのかも比べました。
読み終えるころには、自分の家のUA値をどう確認すればいいのか、その数値が毎月の電気代にどう影響するか分かるはずです。
結論:我が家のUA値は0.17。一条工務店の断熱性能を書類と実額で確認しました
我が家の断熱性能は、BELS評価書の数値でも、1年間暮らした実感でも、満足できるものでした。
BELS評価書に記載されている数値は次のとおりです。
| 項目 | 我が家 | 省エネ基準 | 誘導基準 |
|---|---|---|---|
| UA値(外皮平均熱貫流率) | 0.17 | 0.87 | 0.60 |
| ηAC値(冷房期平均日射熱取得率) | 0.7 | 2.8 | 2.8 |
| 断熱等性能等級 | 等級7(最高) | — | — |
| BELS評価 | 星5つ | — | — |
理由として考えられるのは、一条工務店の標準仕様そのものの断熱性能に加えて、我が家の間取りの条件です。窓を減らし、シンプルな四角い平屋にしたことも、UA値0.17という数値につながったと考えています。
そして、実際の電気代はどうだったのか。2025年8月から2026年7月までの電気代は年54,038円、太陽光の売電額は149,700円。収支は95,662円のプラスでした。冬の3ヶ月は床暖房を24時間つけっぱなしにして月平均8,898円、夏の3ヶ月は床冷房を24時間つけて月平均1,360円です。
この年間の値には、ひとつ注意点があります。入居した2025年8月は電気代・売電とも部分月なので、丸12ヶ月分で集計すれば、もう少し増えることになります。売電の単価は15円/kWh、買取期間は10年です(FITの10kW未満区分)。
なお、この売電単価は2025年度に系統連系した我が家の条件です。2026年度からは1〜4年目が24円、5〜10年目が8.3円という二段階の買取価格に変わりました(2026年9月時点)。売電額が変わると、同じ断熱性能の家でも光熱費の収支は違ってきます。太陽光+蓄電池は元が取れるかを検証した記事もあわせてご覧ください。
数値だけを見ても、その家で実際にどんな暮らしになったのかまでは分かりません。この記事では、この数値の家で1年間暮らした結果まで、電気代とあわせて見ていきます。
なお、電気代の安さは家の性能だけで決まったものではありません。基本料金0円の電力会社に切り替え、太陽光と蓄電池の使い方も工夫しています。その点もあわせて見てください。
UA値0.17はどれくらい低いのか|省エネ基準0.87・誘導基準0.60と比べる
UA値0.17という数値を単体で見せられても、低いのか高いのか分かりません。基準と並べて初めて、その数値の意味が分かります。
UA値は「外皮平均熱貫流率」の略で、家全体からどれだけ熱が逃げるかを表します。小さいほど熱が逃げにくい、つまり断熱性能が高いという意味です。
我が家が建っている静岡県は6地域という区分に入ります。6地域の基準値と我が家を並べると、こうなりました。
| 基準 | UA値 |
|---|---|
| 省エネ基準(等級4相当) | 0.87 |
| 誘導基準(等級5相当) | 0.60 |
| 断熱等性能等級6 | 0.46 |
| 断熱等性能等級7 | 0.26 |
| 我が家 | 0.17 |
省エネ基準の0.87に対して約5分の1。等級7の基準である0.26と比べても、さらに下回っています。BELS評価書でも、最も高い等級7と表示されていました。
ηAC値についても見ていきます。こちらは夏に日射がどれだけ室内へ入りやすいかを表す数値で、基準2.8に対して我が家は0.7でした。冬に熱を逃がしにくいだけでなく、夏も日射熱が入りにくい家ということになります。
ここで注意しておきたいのは、UA値は計算で求める設計上の数値だという点です。実際に測ったものではありません。そのため、この記事の後半ではUA値だけでなく、実際の電気代も見ていきます。

紛らわしい指標を整理|C値・断熱等級・ηAC値との違い
家の性能を調べていると、UA値・C値・断熱等級・Q値と、似たような言葉が次々に出てきます。それぞれ何を表しているのか、ここで一度整理しておきます。
UA値は「熱の逃げにくさ」を表します。 壁・屋根・床・窓といった家を包む部分から、どれだけ熱が逃げるかを計算した数値。求め方は設計図からの計算です。
C値は「隙間の少なさ」を表します。 家全体にどれだけ隙間があるかを示す数値で、こちらは実際に機械を使って測定します。UA値が計算値なのに対して、C値は実測値です。
断熱等性能等級は、住宅の断熱性能を段階的に評価したものです。 6地域なら、UA値0.26以下で等級7、0.46以下で等級6という具合に基準が定められています。等級を確認するときには、UA値もあわせて見ると、その性能がどの程度なのか分かりやすくなります。
Q値という言葉も出てきますが、こちらは以前使われていた断熱性能の指標です。現在はUA値が使われているため、新築の住宅性能を確認するときは、まずUA値を見ておけば大丈夫です。
まとめると、こうなります。
| 指標 | 何を表すか | 求め方 |
|---|---|---|
| UA値 | 熱の逃げにくさ | 設計図から計算 |
| C値 | 隙間の少なさ | 完成後に実測 |
| 断熱等性能等級 | UA値の段階 | UA値から判定 |
| ηAC値 | 夏の日射の入りにくさ | 設計図から計算 |
断熱と気密は別の指標です。 どちらか一方だけ良くても、家の快適さにはつながりません。この記事では、UA値だけでなくC値についても説明します。

我が家の数値はBELS評価書に載っていました|受け取ったのは2025年6月24日
「自分の家のUA値はどこで分かるのか」。まずは、そこから確認していきます。
我が家の場合、BELS評価書という書類に載っていました。BELSは建築物省エネ性能表示制度の略で、第三者の評価機関が住宅の省エネ性能を評価して交付する書類です。
我が家の評価書の日付は2025年5月29日。実際に手元へ届いたのは2025年6月24日でした。竣工が2025年8月4日なので、家が完成する前に受け取っていたことになります。
この書類には次のような内容が印刷されています。
- UA値・ηAC値の実際の数値
- 断熱性能の段階(我が家は最高の7)
- BELSの星の数(我が家は星5つ)
- 一次エネルギー消費量の設計値と基準値
- 太陽光発電設備の容量
- ZEH水準やネット・ゼロ・エネルギーの達成状況
大事なのは、この数値がカタログの参考値ではなく、自分の家の間取りで計算された数値だという点です。ハウスメーカーが公表しているUA値は、モデルプランなどをもとにした数値です。自分の家が同じ数値になるとは限りません。

公表値の0.25と我が家の0.17はなぜ違うのか|数値が変わる3つの要因
検索すると「一条工務店のUA値は0.25」という記述をよく見かけます。我が家は0.17。同じメーカーで建てているのに、なぜ差が出るのでしょうか。
理由は、UA値が家ごとに変わる数値だからです。変わる要因は主に、この3つです。
①公表値はモデルプランで計算された数値
メーカーが公表しているUA値には、たいてい「弊社モデルプランによる算出値」といった注記が記載されています。ある特定の間取りで計算した結果であって、すべての家がその数値になるわけではありません。自分の家のUA値は、自分の間取りで計算された数値を確認する必要があります。
②窓の数と大きさ
家の中で最も熱が逃げやすいのは窓です。同じ壁の性能でも、窓が多く大きい家ほどUA値は上がります。逆に窓を減らせば数値は下がります。我が家では、窓を減らしたことがUA値0.17につながったと考えています。
③家の形と外皮面積
外皮というのは、家を包んでいる壁・屋根・床のことです。凹凸の多い複雑な形の家ほど外皮面積が増え、熱が逃げる面も増えます。総二階のシンプルな箱型は有利になりやすく、逆に平屋は屋根と基礎の面積が大きくなるぶん、不利になりやすいとされています。
つまり、同じ一条工務店で建てても、間取り次第で数値は変わります。「一条だからUA値0.25」ではなく、「自分の家がいくつになるのか」を確認することが大切です。
他社がUA値をどう公表しているかは、4社を比較した記事にまとめました。住友林業は0.43、トヨタホームは0.6と公表していますが、いずれも特定のモデルプランや提案プランを前提とした数値です。

窓を4箇所減らした平屋で、0.17という結果になりました
前の見出しで書いたとおり、平屋は外皮面積が増えるので、本来はUA値が上がりやすい形です。それでも我が家は0.17に収まりました。理由は窓にあります。
我が家は設計の段階で、窓を4箇所減らしています。 しかも、減らせる限界まで減らしました。設計士さんから「これ以上は減らせません」と言われて止まりました。住宅の居室には採光のための開口部を一定以上設けなければならない基準があり、そこに引っかかるという説明でした。
窓を減らした理由は、断熱性能を気にしたわけではありません。掃除の手間を減らしたかったからです。 窓が少なければ、掃除する面積もサッシの溝も減ります。結果として、断熱性能も良くなったと考えています。
心配だったのは暗さです。ただ、1年住んで暗いと感じた部屋はありません。天気が悪い日は暗いと思う瞬間もありますが、それは窓が多くても同じです。間取りの詳しい話は平屋25.5坪の間取りの記事に書いています。
窓の仕様そのものは一条工務店の標準で、防犯ツインLow-Eトリプル樹脂サッシが入っています。ここに加えて、我が家はサッシ1箇所を9尺サッシに変更しました。差額は44,000円です(2025年1月の見積もり時点)。樹脂サッシとトリプルガラスは標準仕様なので、この44,000円は寸法を変えたぶんの差額です。
窓を減らした結果は、外皮性能計算書にも記載がありました。我が家の開口部は6箇所、面積は14.11㎡です。外皮全体296.47㎡に占める割合は4.8%でした。熱がいちばん逃げる部分を、家全体の5%以下に抑えたことになります。
大きくしたい窓はそのまま残し、それ以外の窓はできるだけ減らしました。窓をすべて小さくするのではなく、必要なところには大きな窓を残し、不要な窓を減らしたということです。 その結果、平屋でもUA値は0.17でした。
一条工務店の断熱等級7|我が家は、0円で実現しました
断熱等級7と聞くと、追加費用がかかるオプションのように思えるかもしれません。我が家の見積書では0円でした。
見積書には「断熱等性能等級・等級7仕様へのグレードアップ」という項目があり、備考欄に「断熱王キャンペーン/期間限定」と書かれています。金額欄は空欄、つまり無償です。2025年1月の見積もり時点の話です。
これは我が家だけの特別な扱いではなく、当時のキャンペーンとして提供されていたものです。一条工務店は主力商品で断熱性能の最高等級7に対応したことを公式サイトで告知しています(2026年9月5日確認)。
ただし、キャンペーンの扱いは時期によって変わります。 今も0円で実現できるとは限りません。契約の時期や地域、営業所によって条件が異なるため、最新の条件は担当者に確認してください。この記事では、2025年1月に契約した我が家の場合として紹介しています。
見積もりの全体像や、他に採用したオプションについては採用したオプション30項目の記事にまとめました。建物総額の内訳は総額3,106万円の記事にあります。
キャンペーンで無償になったとはいえ、断熱等級7は家の断熱性能に関わる仕様です。あとから追加できるものではないので、契約前に、どういう扱いになるのかを確認しておいたほうがいいと思います。
気密のC値は0.6cm²/m²でした|一条工務店の平均0.59とほぼ同じ
UA値の話をすると、「C値はどうなのか」という話も出てきます。断熱と気密は別の指標なので、当然の疑問です。
我が家の測定結果からお伝えします。C値は0.6cm²/m²でした。 2025年5月31日、減圧法による自動測定です。報告書には同じ日の3回分が載っていて、いずれも0.6でした。
| データNo | C値 | 総相当隙間面積 |
|---|---|---|
| 0001 | 0.6cm²/m² | 56cm² |
| 0002 | 0.6cm²/m² | 50cm² |
| 0005 | 0.6cm²/m² | 54cm² |
一条工務店が公表している平均実測値は0.59cm²/m²なので、我が家はほぼ平均どおりでした。特別に良い数値が出たわけではありません。
なお、この書類の名称は「中間気密測定結果」です。工事の途中で測定したもので、完成時の数値ではありません。
体感でお答えすると、冬に隙間風を感じたことはありませんでした。窓際に立っても足元が冷えるということがなく、家の中で温度が違う場所を探すほうが難しい、という感覚です。
測定がいつ行われたのか、立ち会いはできるのか、報告書に何が書いてあるのかは、一条工務店の気密測定とC値0.6の記事にまとめました。
冬の実額:床暖房を24時間つけて月8,898円でした
ここからは、実際の電気代の話です。断熱性能が良いと電気代がどうなるのか、我が家の記録をお伝えします。
我が家は11月から4月まで、床暖房を24時間つけっぱなしにしています。設定温度は低めから始めて、真冬は27度あたりまで上げました。この期間は切ることなく運転しています。
冬の3ヶ月(12月・1月・2月)の電気代はこうなりました。
| 月 | 電気代 | 売電額 | 収支 |
|---|---|---|---|
| 2025年12月 | 6,662円 | 10,650円 | +3,988円 |
| 2026年1月 | 9,442円 | 10,410円 | +968円 |
| 2026年2月 | 10,589円 | 11,400円 | +811円 |
| 3ヶ月合計 | 26,693円 | 32,460円 | +5,767円 |
月平均は8,898円。 最も高かったのは2月の10,589円で、これが1年を通じての電気代のピークでした。
家中を24時間暖めて、月平均で8,898円。最も高い2月でも10,589円に収まりました。しかも冬の3ヶ月は売電額のほうが上回っていて、収支はプラスでした。
寒いと感じた場面もありません。廊下やトイレだけ冷えるということがないので、部屋を移動するときに身構えることがなくなりました。設定温度の月別の推移や、床暖房の使い方の細かいところは床暖房の電気代の記事に書いています。
夏の実額:床冷房を24時間つけて月1,360円でした
夏は5月から9月にかけて、床冷房を24時間運転しています。設定は26度あたりから始めて、最も暑い時期で21度まで下げました。
夏の3ヶ月(5月・6月・7月)の記録です。
| 月 | 電気代 | 売電額 | 収支 |
|---|---|---|---|
| 2026年5月 | 191円 | 19,080円 | +18,889円 |
| 2026年6月 | 845円 | 16,980円 | +16,135円 |
| 2026年7月 | 3,045円 | 11,460円 | +8,415円 |
| 3ヶ月合計 | 4,081円 | 47,520円 | +43,439円 |
月平均1,360円。 5月にいたっては191円でした。日射が強い時期は太陽光の発電量が伸びるので、使う電気をほぼまかなえてしまいます。
冬の月平均8,898円と比べると、夏は約6.5分の1です。ηAC値0.7という数値が示すとおり、夏の日射が室内に入りにくいことにも効果を感じています。
エアコンを動かしたのは1年で2〜3回だけでした。気温がかなり上がった日と、夏に鍋をした日です。「少し暑いな」という程度なら、サーキュレーターを回すだけで収まりました。さらぽか空調の詳しい使い方は、さらぽかの電気代の記事にまとめています。

評価書の設計値と、1年の実測を並べてみました
BELS評価書には、UA値のほかにエネルギーの予測値も載っています。ここでは、設計上の予測値と、実際に1年間暮らした結果を並べて見ていきます。
まず一次エネルギー消費量です。
| 項目 | 設計値 | 基準値 |
|---|---|---|
| 一次エネルギー消費量(省エネ基準) | 32.7 GJ/年 | 95.5 GJ/年 |
設計上のエネルギー消費量は、基準値の約3分の1でした。再生可能エネルギーを含めずに計算すると、基準値から59%削減。太陽光で発電した電気のうち、自宅で使った分まで含めると82%削減となります。
さらに、太陽光の売電分まで含めると評価は254%。これは、家で使うエネルギーよりも、太陽光で生み出すエネルギーのほうが多いということです。
BELSの評価は星5つで、ZEH水準を達成。さらに、使うエネルギーと生み出すエネルギーの収支をゼロ以下にする、ネット・ゼロ・エネルギーも達成という評価でした。
ここからが本題です。評価書には設計上の買電量が3,012kWh/年と記載されています。これに対して、我が家が1年間に実際に買った電気は次のとおりでした。
| 項目 | 設計値 | 1年の実測 | 差 |
|---|---|---|---|
| 買電量 | 3,012 kWh/年 | 1,439 kWh/年 | −1,573 kWh |

買う予定だった電気の半分以下で済みました。評価書の計算では1,573kWhだったのに対し、実際に電力会社から買ったのは1,439kWhでした。
評価書に記載された目安光熱費は年間約9.3万円、我が家の実際の電気代は54,038円でした。
ただし、この2つの金額を単純に比べることはできません。 評価書は電気27円/kWhという全国一律の単価で計算されています。一方、我が家は基本料金0円の市場連動型プランを使っています。さらに、評価書には太陽光の売電収入も含まれていません。
つまり、計算の条件が違います。9.3万円と54,038円の差を、そのまま「家の性能による差」と考えることはできません。
実際の電気代が安くなったのは、家の性能だけが理由ではありません。基本料金0円の電力会社に切り替えたこと、蓄電池を使って昼の電気を夕方以降に回していること、エコキュートや食洗機を朝に動かしていることなど、いくつかの工夫が重なっています。この運用は、Instagramで発信されている「なあたン」さんが2021年2月に考案した「N式」を参考にしたものです。詳しくは電気代の節約の記事に書きました。
それでも、評価書では1,573kWhと予測されていた電力購入量が、実際には1,439kWhでした。 設計段階の予測と、1年間実際に暮らした結果を両方残せたことは、我が家の記録として紹介しておきたいと思います。
築14年のアパートから移って、何が変わったか
数値の話が続いたので、ここからは、実際に住んでみて感じたことを書きます。
我が家は入居前まで、築14年のアパートに住んでいました。今の家と比べると、暮らしはまったく違います。
アパートでは夏は暑く、冬は寒い。ファンヒーターとエアコンは必需品でした。暖房を切れば部屋はすぐに冷えるので、朝は寒い部屋で起きることになります。光熱費は、ガスと電気を合わせて月2万円を超えることも普通にありました。
今の家では、ファンヒーターを使っていません。床暖房を24時間つけたままなので、そもそも暖房器具が必要がなくなりました。エアコンを使うのも年に2〜3回です。
光熱費も変わりました。ガス契約そのものがなくなり、オール電化なので電気だけです。年間の電気代は月平均4,503円でした。太陽光の売電まで含めると、年間ではプラスになりました。
ただし、この比較は条件が違います。 アパートと今の家では広さも設備も違いますし、太陽光と蓄電池を載せている点も大きく異なります。「一条工務店で建てれば光熱費が4分の1になる」という話ではありません。あくまで、我が家で実際に起きた変化として読んでください。
体感で最も変わったのは、金額よりも家の中で温度差を感じにくくなったことでした。廊下が寒い、脱衣所が寒いという感覚がありません。数値としてのUA値0.17よりも、この変化のほうが日々の暮らしでは大きく感じています。

「UA値だけでは分からない」と言われますが、我が家ではこうでした
UA値について調べていると、いくつか決まった指摘を見つけました。1年住んだ我が家がどうだったかを、1つずつ並べてみます。
| よく言われること | 我が家では |
|---|---|
| UA値が良くてもC値が悪ければ意味がない | 一条工務店は全棟で気密測定を実施。冬に隙間風を感じた場面はない |
| UA値は計算値なので実際とは違う | 冬の電気代は月8,898円、夏は月1,360円。買った電気は設計上の予測より1,573kWh少なかった |
| 数値が良くても夏は暑くなる | エアコンを使ったのは年2〜3回のみ |
| 高断熱の家はオーバーヒートする | 我が家では起きていない。ηAC値0.7で日射が入りにくい |
| 高気密だと息苦しい | 感じたことはない |
| 高気密の家は結露やカビが出る | 窓や壁の結露・カビは1年で見ていない。ただし床冷房の時期に、プレイマットの下が結露したようになったことはある |
| 平屋は外皮面積が増えて不利 | 当てはまる。 それでも窓を4箇所減らして0.17に収まった |
当てはまらなかった項目が多くなりましたが、平屋が不利という指摘だけは事実です。 屋根と基礎の面積が2階建てより大きくなるので、同じ仕様なら数値は上がると思います。我が家はそこを窓の削減で戻した形になります。
ひとつ補足すると、「息苦しい」「結露が出る」といった指摘は、換気が正しく行われていない場合に起きるものだと説明されています。我が家には熱交換換気システムのロスガードがあり、24時間動いています。そのため、こうした問題が起きていません。

高断熱・高気密で困ったこと|冬の乾燥と、匂いがこもること
良いことばかり書いても記事として片手落ちなので、困っていることも書きます。大きく2つです。
冬は乾燥します
床暖房を24時間動かしていると、冬は乾燥します。室温そのものに不満はないのですが、加湿器を1台買い足しました。暖かく快適に過ごせる一方で、乾燥は気になるようになります。
一条工務店の家に限った話ではないと思いますが、我が家は11月から4月まで切らずに動かしているぶん、乾燥を感じる期間も長くなります。
匂いがこもります
こちらは住むまで想像していませんでした。魚を焼いた日や、たこ焼きをした日は、翌朝まで確実に匂いが残ります。
気密が高いぶん、家の中の空気が外に漏れていかないためだと考えています。換気システムは動いているので少しずつは抜けていくのですが、一晩では抜けきりません。焼肉や鍋のあとも同じです。
窓を開ければ匂いは早くなくなるとは思いますが、我が家はさらぽかを入れていて、基本的に窓を開けずに生活しています。そのため、匂いの出る料理をすると、しばらく匂いが残ります。
今のところは、匂いの強い料理をするときは、ある程度匂いが残るものだと思って使っています。
高気密のデメリットとして挙げられがちなのは費用・乾燥・息苦しさ・結露あたりですが、我が家で実際に困っているのは乾燥と匂いの2つでした。その他のデメリットは一条工務店のデメリット10選の記事に、平屋という選択そのものへの後悔は平屋で後悔したことの記事にまとめています。

確認しておくといいこと3つ
これから建てる人向けに、我が家の経験から3つ挙げます。
①自分の間取りのUA値を確認する
公表値はモデルプランの数値です。自分の間取りで計算したUA値を出してもらってください。
間取りが確定する前でも、窓の配置などが決まっていれば、ある程度の数値を確認できる場合があります。窓を減らすかどうかを考えるときの判断材料にもなります。
②断熱等級7のキャンペーンがあるかは契約時期で変わる
我が家は2025年1月の見積もりで0円でした。キャンペーンとして提供されていたものなので、いつでも同じ条件とは限りません。「今キャンペーン対象なのか」を担当者に確認するのが確実です。
③引き渡しのときに気密測定の結果を確認しておく
一条工務店は全棟で気密測定を実施しています。引き渡しの際に結果を確認しておくと、自分の家の実測値が手元に残ります。 住んでから第三者に測ってもらうこともできますが、手間も費用もかかります。引き渡しのタイミングで確認しておくほうが簡単です。
なお、まだ展示場に行っていない方は、一条工務店の紹介制度の記事も先に読んでおくことをおすすめします。展示場に行ってしまうと使えなくなる制度なので、順番が大事です。
よくある質問
Q. 一条工務店のUA値はいくつですか。
公表されている数値は0.25ですが、これはモデルプランで計算した値です。我が家のグランスマート平屋25.5坪は0.17でした。間取り・窓の数・家の形で変わります。
Q. UA値0.17は断熱等級でいうとどれですか。
6地域では等級7の基準が0.26なので、等級7に該当します。我が家のBELS評価書でも段階7が点灯していました。
Q. 自分の家のUA値は、どうすれば分かりますか。
我が家の場合はBELS評価書に載っていました。ただし、この評価書を全員が受け取れるのか、申請や費用が要るのかまでは我が家では確認できていません。担当者に「自分のプランでUA値を計算してもらえますか」と聞くのが確実です。
Q. 断熱等級7にすると追加費用はかかりますか。
我が家の見積書(2025年1月)では、断熱王キャンペーンとして0円でした。時期によって扱いが変わるため、契約前の確認が必要です。
Q. 平屋だと断熱性能で不利になりますか。
外皮面積が増えるぶん、数値は上がりやすくなります。ただし我が家は窓を4箇所減らすことで0.17に収まりました。不利ではあるものの、決定的ではないというのが我が家の結論です。
まとめ:一条工務店のUA値0.17で分かったこと
最後に要点を整理します。
- 我が家(一条工務店グランスマート・静岡県の平屋25.5坪)のUA値は0.17。ηAC値は0.7、断熱等性能等級は最高の等級7、BELS評価は星5つでした。
- この数値はカタログの参考値ではなく、第三者評価機関が発行したBELS評価書に記載されたものです(評価日2025年5月29日・受領2025年6月24日)。
- 公表値の0.25と違うのは、UA値が間取り・窓・家の形で変わるためです。自分の家の数値は自分の間取りで計算する必要があります。
- 平屋は外皮面積が増えて不利ですが、窓を4箇所(減らせる限界まで)減らしたことで0.17に収まりました。
- 断熱等級7へのグレードアップは、我が家の見積書では断熱王キャンペーンで0円でした(2025年1月時点)。標準仕様ではなく、期間限定の扱いです。
- 気密(C値)は一条工務店が全棟で測定しており、公表されている平均実測値は0.59cm²/m²です。
- 1年の実額は、冬の床暖房24時間で月平均8,898円、夏の床冷房24時間で月平均1,360円。年間の電気代は54,038円、売電額は149,700円で、収支は95,662円のプラスでした。
- 評価書の設計上の買電量3,012kWh/年に対して、実測は1,439kWh/年。予定より1,573kWh少なく済みました。
- 困っているのは冬の乾燥と、魚やたこ焼きの匂いが翌朝まで残ることの2つです。
数値はあくまで設計上の計算値ですが、1年住んでみて、その数値どおりの家だったというのが我が家の実感です。
なお、この記事の内容は2025年8月に入居した我が家の条件(静岡県の温暖な6地域・3人家族・共働きで日中の在宅はほぼなし・オール電化・太陽光13.475kW・蓄電池7.04kWh)に基づいています。仕様や価格は契約時期・地域・営業所によって変わります。電気代は電力会社のプランと運用の影響も受けているので、その点は考慮してください。
建物の総額と内訳は総額3,106万円の記事に、1年分の電気代の全記録は平屋の電気代1年分の記事にまとめています。
